
今年ももうすぐやってくる暑~い夏。ジリジリと照り付ける太陽と、巨大な入道雲。
さっきまであんなに晴れていたのに。急に暗くなったと思ったらバケツをひっくり返したような土砂降りになる、そんなことがありますよね。
時には道路が冠水して、坂の下では車が水没するような事態もニュースで目にします。
ゲリラ豪雨って、なんだろう?夕立とは何が違うの?について調べてみました。
ゲリラ豪雨とは?

2008年(平成20年)に新語・流行語大賞のトップ10にも選ばれた「ゲリラ豪雨」。
親水公園で遊んでいた子供が、鉄砲水で流された事故でニュースや新聞などのメディアが多用したことで、一気に定着したと言われています。
でも、「ゲリラ豪雨」という言葉は正式な気象用語ではありません。
そのため明確な定義づけもありませんが、「大気の不安定な状態により突発的に起こる局地的な大雨」のことを言います。予測困難、局地的、このあたりがポイントになりそうです。
そもそも「ゲリラ」ってなに?

ゲリラライブっていう言葉も聞いたことがあるよ

ゲリラという言葉が共通ね。
どこでやるかわからないライブ、という意味で使われているのよ。
もともとは戦争用語で、スペイン語の「小さな戦争」を意味する“guerrilla(ゲリリャ)”が 語源 です。
本来は戦争の時に正規の組織や装備をもたず、単独または少人数で奇襲作戦を行う人たちを指す言葉でした。
予測不能で、いつどこに現れるかわからない、という共通点から「どこで発生するかわからない豪雨」のことを「ゲリラ豪雨」といい始めたと考えられます。
もう「ゲリラ豪雨」とは言いません?


お天気の話なのに、「ゲリラ」という言葉が戦争を思い起させたり、予測不可能と思われるという理由から、最近では「ゲリラ豪雨」は不適切な言葉と捉えらるようになりました。
ゲリラ豪雨の変わりに、気象庁では「局地的大雨」と言っています。
ゲリラ雷雨防衛隊
ところで、「ゲリラ雷雨防衛隊」という名を聞いたことがありますか?まるで地球防衛隊みたいでカッコイイ名前ですよね。


こんなイメージ?
民間の気象予報会社である株式会社ウェザーニューズが、主に7月から9月に発生する「局地的大雨」(ゲリラ雷雨、ゲリラ豪雨)の発生を観測し、大雨が降り出す前にメールで知らせるという、気象予測の限界に挑むサポーター参加型企画です。
短時間で急速に発達する雲を発見したら、全国の協力隊員たちから画像で送ってもらい、送られた写真からウェザーニューズ社独自の画像解析技術で、どこで何時頃から雨が降るのかを判定します。
防衛隊の報告から「ゲリラ雷雨の可能性あり」と解析された場合、その情報をいち早くエリアメールで知らせるサービスで、2023年時点では90%以上の確率で事前通知に成功しているとのこと。もう予測不能ではないのです。
名前のインパクトもあることから、ここでは「ゲリラ雷雨」という言い方は使っているようですね。
夕立とは
夕立もゲリラ豪雨も、メカニズムとしては同じです。
どちらも、影響するのは地上の空気と上空の寒気の温度差。この温度差によって大気の状態が不安定になるのがまず必要な要素。そして長くても1時間程度でやんでしまいます。
以前は真夏、昼間の暑い空気がそのメカニズムで夕方に雨を降らせていて、それが「夕立」と呼ばれていました。
簡単に言ってしまえば、夕方降るのが夕立、夕方以外に降るのが「ゲリラ雷雨」または「局地的大雨」と考えて良さそうです。
夕立は馬の背を分ける
このことわざを知っていますか?
夕立は、馬の背の一方では降り、他方では降らないことがあるという意味です。さすがにそんなことはないでしょうが、それほど夕立の降り方が局地的であることのたとえです。昔の人はうまいことを言ったものですね。


雨が降っているところと
晴れているところの境目が見えるね
雨が降り出すサインに気づこう
- 黒い雲がだんだん近付いてきた。
- ゴロゴロと雷の音がする。
- 急に冷たい風が吹いてきた。
まとめ
いかがでしたか?すごく天気が良くて暑い日に、急に黒い雲がモクモクと湧いてきて、土砂降りになるのは、ゲリラ豪雨も、夕立も、局地的雷雨も同じということがわかりました。
降るエリアがとても局地的なので、今いる場所は晴れていても、山の方で大雨が降れば、下流の河原で鉄砲水が来る、などということも起こるのです。
楽しい夏休みを過ごすためにも、天気予報をよく確認して、空模様の変化にも気を付けて過ごすようにしたいものですね。